CUCURUが教える花嫁着物のいろは〜引き振袖編〜
「振袖」というと、成人式での衣裳に代表される未婚女性の第一礼装ですが、その中でも引き振袖は結婚式でもお召しいただけるとても華やかなお衣裳です。昭和の頃などは、黒引きと呼ばれる「黒引振袖」が婚礼衣裳の代名詞と呼ばれるほど広くお式で使われていた引振袖。そんな引振袖ですが、現代では黒に限らず赤や白地のものをはじめ、様々な色のものが増えました。今回はそんな引き振袖のいろはをご紹介いたします。
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【メニュー】
1. 引き振袖とは
2. 引き振袖の歴史
3. 引き振袖での挙式スタイル
4. 引き振袖の種類
5. 引き振袖でのヘアスタイル
6. 引き振袖でのコーディネート実例
7. さいごに
【1. 引き振袖とは】
引き振袖とは、おはしょりを作らずに裾をひきずってお召しいただく婚礼用の振袖です。かつては既婚の女性の礼装であった黒留袖に作り直せるように、黒地のもので婚礼衣装を作ったのが『黒引き』の始まりです。昔は『本振袖』とも呼ばれていた婚礼用の振袖ですが、白無垢や色打掛とは違い、上から羽織るのではなく一枚で着ていただけるのでほっそりとしたシルエットをお楽しみいただけます。
▷花嫁着物に使われる和装小物についてはこちら。
<引き振袖の特徴>
引振袖の特徴は、なんといってもその美しい帯結びです。白無垢や色打掛は掛下と呼ばれるお着物の上から羽織る形のお衣裳なのでどうしても帯結びは見えなくなってしまうのですが、引き振袖は帯を360度どこからでもご覧いただけるので、立体感のある華やかな帯結びを楽しんでいただけます。もうひとつの特徴としては、腰から膝にかけて裾がほっそりとしぼまり、そして緩やかに広がっていくしなやかなシルエット。裾の先端に “ふき” という綿を入れて厚みを出した部分がつくられているのですが、この “ふき” は遠近法が利いた脚長効果もあります。全体的にほっそりと足が長く見えるので、スタイルアップをしたい花嫁さまにお勧めのお衣裳です。
【2. 引き振袖の歴史】
引き振袖の歴史はなんと白無垢よりも古く、元々は武家の婚礼衣装として着用されていました。江戸時代後期までは 「黒引き振り」が上流階級の花嫁衣裳として扱われていましたが、昭和初期からは一般的な婚礼衣裳として扱われるように。
黒というと、現在では喪服のイメージがありますが、元々おめでたい時に黒を着用するのが昔からの風習であったこと、そして婚礼の後に長い袖を切って黒留袖に仕立て直すのが定番だったため、婚礼衣装を黒留袖にリサイクルできるという仕組みが、とても重宝されたことから婚礼衣裳としての黒引き振袖が主流となっていきました。さらに、白無垢が「嫁ぎ先の色に染まる」という意味を持っているのに対し、黒引振袖は「ほかの色には染まらない」という意味が込められています。
昭和に入ると挙式スタイルが変わり、【白無垢で神前式→披露宴で色打掛→お色直しで黒引袖】というのが主流になっていきました。その後、ゲストを待たせてしまうことから支度に時間をかけないようあらかじめ引き振袖を中に着て、その上から打掛を羽織るようになり、その際に中に着る着物が黒だと見栄えが悪いため、色のついた引き振袖が作られるようになりました。
【3. 引き振袖での挙式スタイル】
昭和以降披露宴のお色直し衣裳として愛されてきた引き振袖ですが、今では披露宴だけでなく挙式など、さまざまなシーンでお愉しみいただけます。ここでは、挙式スタイルに合わせたお勧めの引き振袖をご紹介いたします。
引き振袖は白無垢や色打掛より身軽で動きやすいため、大切なゲストとより長い時間を過ごした花嫁さまにはハウスウエディングやレストランウエディングなど、アットホームなウエディングスタイルもおすすめです。また、神社での神前式に角隠しをつけて引き振袖をお召しいただくのもお勧めです。
<神前式>
神社で執り行われる神前式には、黒引き振袖に角隠しできりっとしたコーディネートがお勧めです。「他の色には染まらない」黒の引き振袖と、「角を隠しておしとやかな妻となる」願いが込められた角隠しでしなやかながらも芯の強い美しさを。
<料亭でのお食事会>
ご家族だけの料亭でのお食事会には、すっきりとしたシルエットの引き振袖がぴったりです。趣のある日本庭園や和室には古典的な色味の引き振袖がとてもよく似合います。上品ながらもこだわりのつまったコーディネートでお食事会を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【4. 引き振袖の種類】
黒の『黒引き』や『本振袖』以降、婚礼衣裳として愛され続けている引き振袖ですが、色や生地などさまざまな種類がございます。
<CUCURUの引き振袖>
様々な種類がある引き振袖ですが、定番の黒のものから、赤地や白地などの色引き振りまでさまざまです。
CUCURUでは古典的なものから粋なもの、そして裏地や生地のこだわったCUCURUにしかない引き振袖までたくさんご用意しております。こちらでは、CUCURUの引き振袖をほんの少しではありますが、ご紹介いたします。
『長寿松』
日本独特の美しさが目を引く、CUCURU人気の黒地の引き振袖です。直線で描かれた松の模様で伝統的でありながらも、現代の花嫁さまに似合うハイスタイルに仕上がります。シンプルなヘアアレンジで一味違う大人な花嫁姿が叶う一着。
『赤地ちりめん鶴』
赤のちりめん地に、大柄の鶴が飛翔する大胆で粋な引き振袖です。色味の少ない、大柄の引き振袖は少ない色味でかっこよく着こなすがお勧め。裏地に合わせた色味の小物に、浅葱色で抜け感を。
『笹の葉に南天』
白地に描かれた友禅の笹の葉と南天がかわいらしい一着です。笹や南天、そして雪輪の模様が伝統的な雰囲気がありながらも青い裏地は現代的な印象にもしてくれます。さまざまな色の小物と合わせたコーディネートでも遊んでいただける一着です。
『紫黒雲取花の舞』
柔らかい水色と粋な紫黒、そして華やかな雲取模様が全体にあしらわれた引き振袖です。見る角度によって見える色味が違うため、動く度に違った印象を残す一着。合わせる小物次第で、粋にも華やかにも愉しんでいただけるのが特徴です。
『紫手刺繍花丸紋』
CUCURUオリジナルで染め上げた紫の地に手刺繍の花紋があしらわれた、上品な引き振袖です。落ち着いた色味ながらも、花紋がかわいらしい印象を与えます。裏地の抹茶色に比翼の桃色に合わせた小物選びでまとめあげ、ヘアメイクできりりと引き締めるとかわいいだけでない、おしゃれな花嫁姿に。
【5. 引き振袖でのヘアスタイル】
引き振袖をお選びいただくときに、花嫁さまが迷われるのが当日のお式でのヘアスタイルです。CUCURUではお着物全体のコーディネートに合わせてヘアメイクのご提案もいたします。引き振袖ならではの細身のシルエットに合わせた、自然な毛流れの地毛結いやきりっと引き締まった印象に仕上げる角隠し、洋髪にヘッドドレスでさまざまなニュアンスを愉しんでもいただけます。
自然な毛流れと、一人一人の頭の形や雰囲気に合わせたシルエットで形づくれる地毛結いの日本髪はCUCURUでもお勧めのスタイルです。ポイントは、ほっそりとした引き振袖のシルエットに合わせてコンパクトにまとめること。抜け感のあるメイクと一緒に、トラディショナルでありながら現代的な和装花嫁さまを目指してみてくださいね。
<角隠し>
角隠しとは、文金高島田を結った髪の上にかぶる、帯状の布のこと。嫉妬や怒りの象徴である角を隠すことで、従順でおしとやかな妻となることの意味が込められているそう。黒を基調とした引振り袖に角隠しは、奥ゆかしくもクラシカルな印象へと結びつけてくれますね。
<洋髪+ヘッドドレス>
日本髪も魅力的ではあるけれど、やっぱり洋髪にヘッドドレスも捨て難い!そんな花嫁さまに、さまざまな種類のヘッドドレスとヘアアレンジをご紹介。ぜひ参考にしてみてくださいね。
『アートフラワー』
黒地に梅の古典的な黒引き振袖には、抱え帯の色味に合わせた胡蝶蘭のアートフラワーで現代的で華やかな花嫁姿に。本物のようでありながら、時間が経ってもしおれることのないアートフラワーは多くの花嫁さまに選んでいただいてるCUCURU人気のヘッドドレスです。
『帯地のお花たち』
白地のすっきりとした印象の引き振袖には、帯地のお花たちの大きなヘッドドレスを合わせました。シンプルなみつあみでコンパクトに仕上げながらも花嫁さまらしい華やかな印象に。
『下がり玉簪』
抱え帯に合わせた色の下がり玉簪でまとまりのある上品な印象に。黒のヴェールで立体感をもたせることで、360度どこから見ても愉しんでいただけるヘアスタイルに。
tegaraのヘッドドレスを始め、CUCURUでは引き振袖に合うヘッドドレスを多数ご用意しております。さらにご覧になりたい方は、お気軽にご来店くださいませ。
【6. 引き振袖のコーディネート実例】
引き振袖のいろはを全てお伝えしたところで、最後に実際に引き振袖を着てお式当日や前撮りをされた花嫁さまをご紹介していきます。是非参考にしてみてくださいね。
<引き振袖でフォトプランをされた先輩花嫁さま>
『笹の葉に南天』の引き振袖を着てフォトプランをされた先輩花嫁さま。華やかな帯に番傘ごしの見返り姿は引き振袖ならではの美しさですね。こちらの先輩花嫁さまのご紹介コラムはこちらからどうぞ。
引き振袖について、さらにご覧になりたい方はこちらもチェックしてみてくださいね。
▷ 引き振袖ヘアメイク
▷ 引き振袖で挙式をされた先輩花嫁さま
【7. さいごに】
いかがだったでしょうか?
色も模様も様々な引き振袖は会場やコーディネートによって全く違った印象を与えてくれます。特別な日の引き振袖、心残りのないようにこだわってみませんか。ぜひCUCURUこだわりの引き振袖を見にいらしてくださいね。ご予約をお待ちしております。
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